JR福知山線脱線事故

25日午前9時20分ごろ、兵庫県尼崎市潮江4のJR福知山線塚口―尼崎駅間の第1新横枕踏切の手前で、宝塚発同志社前行き快速電車(7両)の全車両が脱線、1両目から3両目は横転して線路脇にはみ出し、先頭車両はマンションに激突、大破した。

 快速電車には乗客約580人が乗っており、兵庫県警によると、計25人の死亡が確認された。負傷者は少なくとも240人に上っている模様。確認された死者はすべて乗客。

 兵庫県は同10時、事故対策本部を設置。政府も首相官邸に連絡室を設置した。国土交通省は同日、近畿運輸局に対策本部を設置。担当者を事故現場に派遣し情報収集を進めている。また国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も事故現場に調査官を派遣した。

 JR西日本によると、快速電車は現場の制限速度は時速70キロに設定されている。実際の通過速度は不明。

 乗客によると、この電車は現場手前の伊丹駅で約8メートルオーバーランし、バックして停車し、乗客を下ろすトラブルを起こしていた。乗客らの間で、「いつもより速度が出ている。おかしい」との声が出ていた。

 尼崎市消防局から多数の救急車が出動、大阪市や神戸市もレスキュー隊や救助工作車を派遣した。負傷者は関西労災病院(尼崎市)などに搬送した。

 快速電車は脱線後、線路脇の乗用車に衝突。さらに1両目が線路東側のマンション1階に激突した。2、3両目は1両目を押しつぶすような形で次々に脱線、横転した。1両目は客車部分と車輪部分が分離し、客車部分は銀色の車体がL字型に折れ曲がり、あめのようにひしゃげた。

 現場には乗客のカバンや電車のシートが散乱。線路脇一面にしかれたブルーシート上では、救助隊員らが負傷者の治療に当たった。

 衝突現場から南約20メートルに設営された尼崎市消防局のテントには、全身血まみれの乗客が毛布にくるまれて担架で次々と運びこまれた。

 ブルーシートの上に寝かされた乗客らは、血が止まらずズボンや服が真っ赤に染まっていた。顔にガラスやプラスチックの破片が刺さっている人もいた。

 うつぶせで片ひじをついたまま動かないサラリーマン風の男性は、ネクタイがちぎれ、「何や、これ」と声を上げた。顔中血まみれで、目の開けられない女性は「だれか…」とうめいた。骨折したのか、右腕と右足を包帯でつった男性は目を閉じたまま、動かない。

 午前10時20分現在、1両目にはまだ乗客が閉じこめられている模様で、救出作業が続いている。

 今回の事故について国交省は、重大度に応じて5段階に定めている鉄道事故レベルのうち、2番目に高い「レベル4」に該当するとしている。滋賀県信楽町の信楽高原鉄道(SKR)線で1991年5月、SKRとJR西日本の列車が正面衝突し、42人が死亡した「信楽鉄道事故」に匹敵する大事故と位置づけている。
(読売新聞)12時22分現在


朝、目覚めて事故のニュースを見て驚きました。まだ乗客が中にいるそうで大変心配です。