IWGPが全日本へ流出

IWGPベルトが史上初めて全日本へ流出した。新日本プロレス新春黄金シリーズ」の最終戦が20日、両国国技館大会で行われた。史上初のIWGP、三冠のWタイトル戦は、三冠王者小島聡が、IWGP王者の天山広吉を下して勝利。見事に“4冠王者”となった。しかし、小島は試合後にIWGPのベルトを場外の床に投げ捨てたため、新日本勢が激怒。リング上では永田裕志棚橋弘至らが噛み付き、中でも中邑真輔は控え室前まで追いかけ「まだ終わりじゃねえんだよ。全日本関係者はどこだ。試合を組めって言ってんだよ!」と早くも至宝の奪回へ動き出した。

 壮絶な試合となった。かつて新日本でIWGPタッグ王座を獲得し、“テンコジ”として名を馳せた両者が、新日本、全日本の看板をかけて激突。両者ともに一歩も退かず、制限時間60分が目前に迫ったが、ムーンサルトプレス誤爆などでダメージが蓄積した天山が完全にグロッキーに陥った。小島が容赦なくエルボーを連打すると、天山はダウン。新日本ファンの悲鳴が轟くが、天山は起き上がることができず、試合時間59分49秒でKO負けのゴングが鳴らされた。天山は試合後、検査のために病院へ直行した。

 セミファイナルでは、新日本隊と蝶野正洋率いるブラックニュージャパン(BNJ)が、4対4シングル勝ち抜き戦で激突。佐々木健介vs蝶野正洋の組み合わせが開始したが、これはドロー。続いて永田裕志vs中西学の組み合わせになると、中西が勝利。本隊は副将の中邑が中西、長井満也を連続で下して逆転に成功したが、最後はBNJの大将・鈴木みのるが、中邑、棚橋を撃破。BNJが勝利を収めた。

 そのほか、第6試合では西村修が因縁の相手・長州力と対戦。何としても長州をマットに沈めたい西村だったが、長州が必殺のサソリ固めを執拗に敢行。西村がロープに手を伸ばすものの、長州がブレイクを無視して技を解かないため、反則負けを宣告された。試合中に顔面を負傷して鮮血に染まった西村は、足にも大きなダメージを負い、険しい表情でリングを後にした。また、第5試合ではIWGPジュニアヘビー級選手権試合が行われ、王者のタイガーマスクが挑戦者・獣神サンダーライガーを下して初防衛に成功した。